このテーマは実は私にとっては正直難しい。私は震災が起きるまで、施主の希望によっては採用してきたこともあるし、またリフォームでも、特に福祉施設では安全性の観点から灯油式給湯ボイラーから電気温水器に変更したこともあるからだ。グループホームでは全ての暖房熱源を電気オイルパネルヒーターにした場合もある。その当時はグループホームの火災が問題となった時期でもあった。要するに住宅も福祉施設もより高い安全性という理由でオール電化の設備、つまり電気暖房ボイラー、IH調理器、電気温水器等を導入してきたのである。中にはオール電化をしたくとも全体の予算の理由で給湯も、暖房も灯油式のボイラーになったこともある。今もそうであるがオール電化は最初の設備費が、非オール電化と比較して実勢価格が1.5倍から2倍くらい高くなるのだ。だからその頃の私は、施主の希望と予算のよってオール電化の導入するしないを決めていた訳で、私の専門家としての確固たるものはなかったと思う。建物に供給される電気はどの様に作られたものであるのか、どんな発電システムで届けられているのか。また震災が起きた時、停電になった時何が起こるのかをほとんど考えていなかったというか、予想することを止めていたと思う。私も当時はそんなことは起こらないし、起こったとしても数時間で簡単に復旧するものだから、心配する必要はないと。しかし最悪の事態が起こってしまった。原発震災である。大地震によって原発が事故を起こし多くの放射能が放出し、多くの原発が停止した。 そして停電が発生し10日間以上続いた地域もあった。オール電化住宅は、暖房も給湯も調理もストップし大変寒い中を我慢しなければならなかった。また暖房に限ってみると、灯油式ボイラーによるセントラルヒーティングも、灯油のFFストーブも、ガスストーブも電気がないと稼働しないので、オール電化住宅以外でも同様であったと思う。この様に現在のほとんどの住宅は電気がなくては機能しない構造になっている。電気がなくては動かない、災害時に弱い住宅になっている。北海道で厳寒期に今回と同様の地震が起こったらどうなるか?凍死する方が大勢起こることはまちがいないであろう。災害時に強い住宅とはどんな住宅かを考えてみたい。それにしても大手住宅メーカーは未だオール電化は絶対安全な住宅だと言って進めているので、改めてオール電化の住宅の問題点をひとつひとつ考えてみたいと思う。 2011.6.18記
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